「蜘蛛巣城」

「おじさん」

2007年05月17日 12:12

●「蜘蛛巣城」(くものすじょう)1957年上映。
●オジサンが、黒澤監督作品の中で満点をつけるのは、前出の用心棒と、この蜘蛛巣城である。

●本作品は、かの有名なシェークスピアマクベスという作品を翻案したものだ。
●翻案というのは、七人の侍に感激したアメリカが、原作を下敷きに荒野の七人を創ったのと同じ。
●最近の日本の作品は評判が良く、リングシャル・ウイ・ダンスなどが翻案、製作されている。

オーソン・ウェルズという監督が、そのものズバリのマクベスという作品を撮っているが、重くて、オジサンは途中でメゲタ

●ひきかえ、本作品は、時代劇に置き換えられ、能の様式を取り入れ、日本人には大変解りやすい作品となっている。

●ストーリーは未見の方の為、披露しないが、一言で言えば、人間の弱さを描いておるんではないか、とオジサンは思っている。

●テーマがテーマだけに、全編に漂う、重圧感に耐えられない方には、お薦めしない。

●ただ、もし全編を観賞できたならば、何かしらの思いが、胸に残ることは確かだ。

●見所は、たくさんあるが、浅茅が次第に狂っていく様を、山田五十鈴が狂気の演技で表現する。
●ゾクッ!とする圧巻のシーン!



三船敏郎扮する鷲津武時が、弓矢の嵐に、逃げ惑うシーンなども圧巻である。



●このシーン、至近距離から、弓の名手が数名、三船に向かって、トリック無しで矢を放っているらしい。
●三船の表情からも、それが伺い知れる。

志村喬、千秋実、稲葉義男など、七人の侍の名優達が脇を固める。
●懐かしいところでは、浪花千栄子(オロナインの看板に出てた)が、物の怪の老婆の役で、不気味な存在感を見せつける。

●注文があるとすれば、音声が悪く、セリフが聞き取りにくい所がある事くらいか。
●とにかく、オジサンにとっては、忘れられない一本である。
●未見の方は、即、ビデオセラーに走りなさい。

●ただし、面白くなかったとしてもオジサンは責任はとりません。
●ラーメン、餃子と同じで、好みは皆んな違うもんね。(どういう論理?)
●悪しからずってとこで。おしまい。チャン、チャン!